Interview with 大社カリン(画家・モデル)

Interview with 大社カリン(画家・モデル)

Crestareはさまざまなアーティストとクリエイターとのコラボレーション企画を2月より開始する。第一弾のコラボレーターは、抽象画家として、またモデルとしても活躍する大社カリン。“二面性”という共通テーマのもと、Crestareはコレクションを、大社カリンは作品を制作した。

ゴールドとシルバーのバイカラーで“二面性”を表現したCrestareのコレクションは2月22日(火)から発売。さらに2月半ばから期間限定で、大社カリンがCrestareのために描いた作品をプリントしたポストカードを商品に同封して購入者にお届けする。

「見る人がいて初めて完成する」抽象画を描く大社カリンは、Crestareらしさと“二面性”というテーマをどう自身の作品に落とし込んだのか。

コラボレーション作品の制作の背景のほか、今の作風に至った過程、作品のインスピレーション、ジュエリーが自身にとってどのような存在かなどについて話を聞いた。

 

 

―――画家としてもモデルとしても活躍されていますが、それぞれの職業を志したきっかけは?

モデルも画家もどちらも16歳ごろからスタートしました。モデルは最初はサロンモデルなどから始めて、大学でも続けていました。画家としても美術の高校に通い、そのまま美術大学に進学したので何かきっかけがあったというわけではなく、どちらも好きなこと・やりたかったことを続けていたら今の形になりました。

 

 

―――16歳で自分のやりたいことがはっきりしているのは珍しいと思いますが、それ以前に美術に興味を持ったのはどうしてでしょうか。

小学校の頃から地元の造形教室に通っていました。そこでは割り箸と牛乳パックで家を作ったり、野菜の皮で布を染めたり、デッサンをしたり、図工的なことをしていたのですが、それも親に行かされていたわけではなく自分で「行きたい」と言って通っていたのそうなので本当に物心つく前から作ることが好きな子どもだったんだと思います。それと、小学生のころもっぱら好きだったのが動物でした。人よりも動物が好きで、小学校の卒業文集の将来の夢は獣医と書いていました。SF映画の世界観やジブリなどのファンタジーが好きで、そうしたものを真似たり書いたりしていました。イメージをもとに作りたいものを考えることはずっとやってきたと思います。

 

 

―――多くのアートに触れる中で、抽象画を選んだのはなぜですか?

もともとペンでいろんな線を書く線画を描いたのですが、描かれているものが具体的なものほど言葉で括れてしまうと考えていました。例えばりんごを描いたらそれは「りんご」だし、南の島を描いたらそれは「南の島」だし、輪郭がはっきりしてしまうことが嫌でした。ある人が絵を見たときにどんな印象を抱くかは人それぞれで、同じ絵を見て全員が同じ気持ちになることはないですよね。だからこそ見てもらって初めて完成するものが作りたかった。感情や心理的なところで共感してもらったり、逆に寄り添ったりしたいと思っているので、抽象画を選んでいるところはあります。具体的なものにせず、輪郭をはっきりさせない、相手に見てもらって初めて成立する絵画がいい。景色・風景と一緒で、絵の中で描かれた場所が思い出の場所だったり、悲しい場所だったり、リフレッシュの場所だったり、その人によって感じ方も違いますよね。言葉では表しきれないもの、生命がそこにいると感じることができる、自分と見る人の対話みたいなことがしたくて抽象画を選んでいます。


―――今の自身の作風にはどうやってたどり着きましたか?

そこは泥臭く、積み重ねです(笑)。ひらめきや天才的なものはなく、いろんなことを試しています。その中でしっくりきたものを積み重ねていますが、もしかしたらまた変わるかもしれません。好きなものは変わらないけど、表現するテーマや方法は変わるかも。


 

―――作品のインスピレーションはどんなところから得ている?

日常です。日常の中でこそ見失いがちなことが多いので、その中で見えるものにかけがえのなさやときめきを感じます。仕事、電車、食事、お風呂に入っているときの音や感触、記憶、匂いなど、五感どころか六感を鋭くして、そこから着想を得ています。いわば“生きる”こと全般からインスピレーションを受けていると思います。


―――普段どのような映画や音楽、アートなど作品に触れるのが好きですか?また中でも感銘を受けた作品を教えてください。

アニメ、漫画、ゲーム、映画、本が多いです。中でも映画「インセプション」には衝撃を受けました。私は夢日記をつけるくらい夢が激しいのですが、場面の変わり方や街が垂直になって歩けるようになるシーンは、本当に夢の中を正確に再現していて驚きました。そこに相手の深層心理にアイデアを植え付けるためにより深い夢に潜り込むという要素が加わるのですが、「私ももしかして誰かにアイデアを植え付けられたかも?」と考えてしまって、誰もが当事者として疑ってしまうところがすごく面白かったです。物語の結末を、見た人に委ねるところも好きです。

 

 

―――本日Crestareのジュエリーを着用されてますが、実際にご自身で身につけてみたつけ心地やお気持ちを教えてください。

かわいいです。女性の手の細さに合うような、でも華奢じゃないシルバーのジュエリーを普段から探しているのですが、自分の狭いジュエリーの好みにスコーンとはまってきた気がします。男性用のピンキーサイズを親指につけていた時期はあったのですが、着替えた時に外れてしまったり。女性のラインで、サイズ感も良く、金属アレルギーの自分でもつけることができるというニーズにすっぽり入ってきました。ファッションでもメンズのものだけど女性サイズのユニセックスなものが好きなので、それもあるかもしれません。古着屋さんでメンズのものを買うこともあります。でもどちらかではなく、女性性と男性性どちらも兼ね備えたバランスで着用するのが好きです。どうしてもゴールドの華奢なアクセサリーというと女性らしい可憐なイメージがついてしまうので、そういうときは例えば絵の具に触れるときの作業着のような、ビンテージや無骨さでバランスを取るようにしています。

 

―――普段どんなシーンでジュエリーを着用することが多いですか?

描くとき以外はほぼ常にじゃらじゃらと身につけていて、手の指10本中6本くらいつけていると思います。家には15個くらいジュエリーがあって、そのうち2〜3個スタメンがいて、3〜4個を気分で付け替えています。

 

 

―――ジュエリーを身につけると自分の気持ちにどんな変化がありますか?

ジュエリーは家ではつけず外に出かけるときにつけるのですが、特に指輪はつけると戦闘モードになることができる、オンとオフを切り替えるものだと思います。つけるジュエリーの中にはおばあちゃんにもらったなど思い出のあるものもあったりして、お守りのような効果があると思います。指輪はメリケンサック的なイメージで武装感強いのですが、ネックレスなどはもっとお守り的な存在なのかもしれません。ピアスだとちょっと色っぽさを足すことができたりとか。それを服装やシーンに合わせて塩梅を足し引きしています。

 

 

―――今回のコラボレーションでは“二面性”をテーマに制作されたそうですが、具体的に何と何の異なる面をイメージしましたか?

Crestareは月がシンボルだそうですが、今回の企画書を見たときに印象に残ったのが月でした。私の中で月は女性というイメージがあるのですが、そこから月と太陽、女性性と男性性、というふうに発想を広げていきました。でも二面性って一つの中にある二つの要素だと思うので、ある個人が持ち得ている二面性を描くと考えたときに思い浮かんだのが、誰もが持っている女性性と男性性でした。女性の中にも男性性はあるし、男性の中にも女性性はあるので。

 

 

―――作品の中で描かれている金箔の円が月を表している?

月が女性の象徴であり、一人の人で、その裏にあるものは影を表しています。陰と陽があるように影は必ずあるものだと思うので、その二面性を表しています。背景の部分ははっきりとはさせてないのですが、空と海をイメージしました。28日周期で月の満ち欠けがあり、その引力の影響で潮の満ち引きがあり、女性のホルモンバランスも28日周期で変わっているという結びつきがあると考えました。また地球は月と別の星なのに影響を受けているところも、色んな人と生きて影響を受けている私たちと似ていると思いました。今目の前に広がっている現状をありのまま受け入れるような、漂っているけれどそれで良いという肯定的なイメージです。

 

 

―――自身や自身の作品とCrestareのどんなところが共通していると思いますか?

私が蟹座なんですが、蟹座の守護惑星が月なんです。守護惑星とはそれぞれの星座が持つ性格を象徴している星のことで、蟹座をつかさどる月は女性性や感受性、感情の星と言われていて、もともと月が好きだったので勝手に運命を感じていました。惑星単位で関わりがあって、切っても切れない関係というか(笑)。占星術って昔は哲学であり科学で、学問の一つだったんですね。毎朝のニュースで流れる星占いって何億分の一くらいの情報しかないので、「占いなんて」というイメージがついてしまうけど、字も読めない人がほとんどだった時代に星との位置関係で地球と関係があると証明していたことは相当すごいですし、人間の本能的なところに働きかけているものが何なのかを証明する学問なんだと思います。そうしたものからもインスピレーションを受けていて、例えば星単位で人類を見る視点もそうです。自分のすぐ横にいる家族単位でも見ますが、すごく引いて感情を持っていることが人類の共通点だからそこに対して訴えかける方法をとっているところも。だいぶ規模が大きいのですが(笑)。作品の色もNASAのホームページを見て宇宙の色や太陽の色、航空写真で見る自然の色を参考にしたりしています。

 

―――カリンさんの作品にとって、相手がどのように受け取るかどうかが作品を構成する大事な要素になっているとのことですが、作品がプリントされたポストカードを手に取った人がどんな気持ちになってくれたらうれしいですか?

あなたはそのままでいいと安心してくれたらいいなと思います。変わりたい人は変わればいいし、その人が思っていることを否定する権利は誰にもないですが、自身の選択を信じ続けて自分であり続けてほしいと思います。

 

大社カリン(Karin Okoso)

1993年生まれ。 女子美術大学アートプロデュース表現領域 修了。 モデルとして広告や誌面で活躍する傍ら、2017年からアーティスト活動を開始。 現在は精力的に展示や企業協賛のもとライブペイント、保育園との幼児向けのワークショップなどを行っている。

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