Interview with Natsumi Ito(アーティスト)

Interview with Natsumi Ito(アーティスト)

Crestareがさまざまなアーティストやクリエイターとコラボレーションする企画の第二弾のコラボレーターは、フォトグラファー、アートディレクターとして、独自の世界観を表現するNatsumi Ito。“二面性”という共通テーマのもと、Crestareはコレクションを制作、Natsumi Itoは写真を撮影した。

ゴールドとシルバーのバイカラーで“二面性”を表現したCrestareのコレクションは2月22日から発売している。さらに期間限定で、Natsumi ItoがCrestareのために撮影した作品をプリントしたポストカードを商品に同封して購入者にお届けする。

Nastumi Itoは、Crestareらしさと“二面性”というテーマをどう自身の作品に落とし込んだのか。コラボレーション作品の制作の背景のほか、カメラを手に取ったきっかけなどについて話を聞いた。

 

 

――――Itoさんのインスタグラムはご自身の世界観が明確に表現されていますよね。今の自身の作風にはどうやってたどり着きましたか?


昔から変わらず同じようなものを作り続けていて、自然と生まれています。美大に行ったりして“こうなりたい”という像があったわけでもなく高校生くらいから同じものを作り続けていて、世界観もその頃から通して変わらないです。Instagramも高校生の頃から続けています。日常を投稿しすぎていたので一度アカウントを消してしまいましたが、今は個人作品をアップしてときどき日常を投稿しています。


―――作品のインスピレーション源になっているものや影響を受けているものは?


インスピレーションは日常生活ですが、一番影響を受けているのは母親からだと思います。


―――どんなお母様でいらっしゃるのでしょうか。特に尊敬している部分は?


普通の主婦なのですがファッション、インテリア、アートもライフスタイル全般が好きな人で、考え方も着ている服のテイストも似ているし、母から得ているものが多いです。今でも仕事のことを相談したりします。母のことを全部尊敬していますが、読解力があるところがすごいと思います。例えば、どんな話をしてもスッと入っていくような理解力があります。私とは全然違う環境にいながら、いろんなことを見ていて、今きているものの話もスムーズに話せます。センスなのかなと思います。

 

 

―――自身の作品を通して伝えたいこと、やりたいことがあれば教えてください。


日常生活からインスピレーションを受けていてそれを形にしているのですが、自分で何かを選ぶときに直感的にいいなと思ったり何度見ても好きと思ったりするものがいいと感じるので、ライフスタイルがメインでその中に溶け込むよさを大切にしたいと思っています。アーティストさんって自分の色がはっきりとしていると思うのですが、自分はあまりそういうのを求めてないし、好きじゃないのだと思います。世界観はどうしても作品の中でできてしまいますが、主張はあまりしたくない、あまり派手にはしたくないのだと思います。仕事で求められればもちろんそうしますが、自分で生み出す場合、それはないですね。


―――日常生活の中からいいなと思って切り取って作る自身の作品とクライアントワークはどのように違いますか?


全く違うと思います。もともと私はグラフィックデザインからキャリアをスタートしていることもあり、デザインってクライアントさんありきのものだと考えていて、そこに自分の色はいらないと思っています。自分の作品は自分が好きにできるものですが、クライアントワークはクライアントさんが求めているものをヒヤリングして作っていくものです。ただ作風を見て声をかけていただくこともあるので、その場合はどちらをどこまで調節するのか、クリエイティブの挑戦のようになっています。今回のCrestareとのコラボレーションは私の作品がいいとのことだったので、自分の色を出して制作しました。

 


―――グラフィックデザインからどのように今のようなお仕事につながったのか、詳しく教えてください。


もともと音楽をやっていたのですが、音楽は向いてないと思ってデザインの専門に通い、そこでグラフィックを学びました。その後フリーで活動しています。カメラは独学だったのですが、学生の頃からファッションスナップを媒体とした会社などでインターンとして撮影をしていました。特に原宿界隈はショップを経営している方もたくさんいたりして、そこで人脈も広がってデザイン周りのお仕事もさせていただきつつ、ふわふわとしながら今に至ります。


―――カメラを手に取ったきっかけは?


もともと携帯で写真を撮るのが好きで、カメラは両親からもらって始めたと思います。昔写真と一言を添えられる写真日記的なものがはやっていて、それがずっと好きで続けてきたという感じです。スナップは就職活動の一環で始めました。当時色々なことに興味があって、雑誌のレイアウトデザインのバイトなど自分ができそうなことにトライしていました。いろいろなことにトライして、コマーシャルグラフィックに私は興味がなく、そこを目指したいという気持ちがないことに気がつきました。個人の名刺デザインなどちまちましたことが好きで、これはフリーじゃないとできないと思いました。

 


―――今多く個展をするようになったのは?


一番最初の個展は素敵なカフェを見つけてここで個展をしたいと思い、展示していいですかとお伺いしたところからスタートしました。今は展示を見に来てくれたVOICEさんというお花屋さんからお誘いをいただいて、それから定期的に開催しています。


―――映画、音楽、アートなど普段どのような作品に触れるのが好きですか?


私はすごくインドア派なのですが、記憶がないような頃から家族で一緒に映画を見ることが多くて、趣味は何かを聞かれたら映画と答えるくらい映画は好きですね。ファンタジーも見ますが、辻褄が合わないと自分の中で引っかかることが多いので、実際にあることを学べて想像できるけど物語性がある刑事ものや医療系が好きです。

 


―――収集癖があるとお聞きしました。どんなものをコレクションしていますか?また、その中でお気に入りのアイテムは?


たくさんあるのですが、切手や手紙など、主に紙のものが好きで集めています。ヨーロッパだと手紙や封筒が市場にたくさん売っているので大体珍しいものは全部買います。海外のスターバックスでも素材が違うのでとっておいたりします。よく男性にある、これはこういう歴史があるから好きといった、ものの背景にあるうんちくが好きなわけではなく、そのもののデザインや佇まいが好きなので買っています。とても感覚的ですね。結果的に自分の好きな世界観のものが集まってくることはよくあります。最近はヴィンテージのアクセサリーが気になっている時間が長い気がします。なくすのが怖いのであまりつけられないのですが。

 


―――ではCrestareとのコラボレーションもタイミングが良かったですね。普段はどんなジュエリーが好きですか?


特にジャンルにはこだわらないのでゴールドも持っていますが、普段つけるものとなるとカジュアルなシルバーアクセサリーが多いです。


―――どのようなシーンでジュエリーを着用するのが好きですか?


アクセサリーはファッション的に気分が上がるので好きで、基本毎日つけたいと思っています。ただ仕事が仕事で、例えばカメラマンをするときは動いて引っ掛けたり落としたりしたりするのが嫌なので、丈夫なものを普段つけることが多いです。現場の仕事の時は無骨なものをつけることが多いです。大体決まったブレスレットとリングをしています。

 

 

―――ジュエリーを身につけると自分の気持ちにどんな変化がありますか?


単純にテンションが上がると思います。たまにつけ忘れて周りの人がつけているのを見ると、その日は自分がアクセサリーを身につけていないので地味に感じると思うことがあります。


―――今回のコラボレーションでは“二面性”をテーマに制作されたそうですが、写真の被写体になっているのは?


これはヴィンテージの机の上を掃除するブラシです。普段作品を作るときテーマを設定することがあまりないのですが、自分の作るものの大枠のテーマやインスピレーションも結局日常生活からくるものが多いです。あまり使ってなかったけどふと手に取って「あ、やっぱりこれいいな」と思えるような良さを作っていきたいと思っています。今回の作品もインスピレーションは変わらず、生活の範囲内にあるものから表現したいと思っていました。そのほかにも候補としてグラスやフォークなどを撮影していました。

 


―――その中でどのように“二面性”を表現したのでしょうか?


“二面性”という既にあるテーマに合いつつ、Crestareはジュエリーなので柔らかさを表現することが必要だと思いました。物体が光に当たったり水に当たったりして何かが起きるといった現象と、その起きた現象によってきれいになったものの二つを撮りたいと思いました。例えば物体自体もきれいだし、光が当たって影もきれいというような、一つのもので二つの美しさを見出せるものにしたいと考えていました。ブラシの写真はもともと1枚だったのですが、2つ並べるとさらにいいなと感じて2枚で提案しました。


―――今回の作品やItoさんの作風とCrestareが共通していると感じるところがあれば教えてください。


Crestareは金属アレルギーの方でも大丈夫なブランドなので、自然なまま、ナチュラルなままでいて大丈夫という印象があります。私も作っているものやインスピレーションを受けているものが日常の中に自然とあるものが多く、どちらも肩の力が抜けているところが似ていると思っています。作っている側もそれを求めているし、受け取り手もそういうものを求めている人なのだろうというところも共通していると思います。

 


―――コラボレーションアイテムを身につけた人がどんな気持ちになってくれるとうれしいですか?


喜んでくれたらうれしいです。基本的に私は受け取る側にこうして欲しいという意思がなく、受け取る方の自由でいいのですが、作品が自然にスっと入ってきたり、気に入って「これ何だろう」などと思ってくれたり、それが何かのきっかけになればうれしいです。

 

Natsumi Ito

東京を拠点に国内外で活動する日本人アーティスト。 日常生活からインスピレーションを受け、生活に溶け込むデザインや美しさを大切にし、様々な作品を生み出している。主に紙を使用する手法を軸に創作活動を行なってきたが、近年ではそれらに留まらず表現手法の幅も広げている。また、広告や書籍などのペーパープロダクトを中心としたグラフィックデザイナーであり、 アートディレクター、フォトグラファー等として東京をはじめ、国内外で活躍中。その肩書きに拘らない活動は多岐にわたり注目を浴びている。

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